放映されて、そろそろ1クールになる。
(＞“TVアニメ『銀河鉄道999』 tvkで7月5日放送スタート”)
あまりの懐かしさに今さらながら
毎週観ていたりして。(実はDVD-
BOXも1巻だけとはいえ所有
してるというのに…^_^;)
昨日は第11話「不定形惑星ヌルーバ」
だったのだが、この回の作画が
当時の原作の絵のムードをけっこう
漂わせていて、メーテルが普段と
違った可憐な美少女という感じに
描かれているのが魅力的。
同様の絵柄は第5話「迷いの星の
シャドウ」でも見られたので、
作画監督を確認すると、どちらも
石黒育という方が担当されている
ことから、その方の功績なのだろう。
(＜“『アド街』見て、ファン驚愕…伝説のアニメーターを偶然発見！！”)
もともとTV版の999の絵柄は
原作マンガの香りを残していた
序盤が大好きだった。
(だからこそDVD-BOXも1巻だけ
でも購入する気になったのだ。
第1話「旅立ちのバラード」なぞ
初めて観たときはその仕上がりに
うっとりしたものだ。
メーテルもおばさん感がなく、実に
可憐な美少女感を醸し出している。)
反面、やがて原作から大きく乖離
した特徴が定着してからの絵柄は
大嫌いで、「垂れ目のダンゴっ鼻の
うえ、頬が削げて直線になり、顎が
尖ったメーテル」はもちろん、なに
よりも「輪郭が縦長になって、豚
饅頭のように肥大化した鼻と、
常に目つきが悪く“ヘの字”の口」
という人相の悪くなった鉄郎は、
どうにも不快でならなかった。
(↑こんな風な感じに、中盤以降の
鉄郎はいつも眉間に皺を寄せて、
口を曲げ、しかめっ面というか不服
そうな表情ばかりしてた印象がある。)
何故か正式なスタッフリストには
記載がないのが常なのだけれど、
そもそもTV版企画当初の999の
キャラクターデザインは荒木伸吾氏
だったと思われ、当時のアニメージュ
でのアニメ化速報としての折り込み
ポスター原画も、同氏が描いていた。
それがどういう訳か、放映スタート時
には降板してしまって、スタッフ表
からも消え、総作画監督には湖川
滋(湖川友謙)氏が就くことになる。
(『アニメスタイル』「アニメの作画を騙ろう」
animator interview
湖川友謙（５）
『火の鳥２７７２』と『伝説巨神イデオン』
小黒 話が前後しますが、ＴＶの『９９９』についてもお願いします。作画監修として名前が出てる時は、全カットの原画をご覧になっていたんですか。
湖川 一応、全部観てました。時間のある限り。
小黒 各話の作監が見た後で、それが湖川さんのところに来るわけですね。さらに修正が必要な場合は、その上に修正を入れる。
湖川 そうです。
小黒 １話から見ているんですか。
湖川 １話じゃないですよ。１話は荒木（伸吾）さん達がやっているんです。
小黒 シリーズ開始時は、荒木さんと姫野美智さんがデザインをやっていたんでしたね。
湖川 彼らのデザインは、どんなアングルでも（鉄郎の）首が肩にもぐりこんでいる画なんです。そういう風になってました。それは辛いと思って、全部直しました。ただ、松本さん調かどうかと言うと、それは俺の画よりも、松本さん調の画だったんです。だから、今ではあの画のほうが良かったかなあと、思うんですけど。僕がキャラクターを変えたのは、５話か６話くらいだったと思います。
小黒 湖川さんのキャラクターデザインを使うようになった話数と、総作監の作業を始めた話数は同じなんですか。
湖川 そうです。それで、制作と喧嘩して『９９９』を途中で辞めたんです。)
リンク先のインタビュー記事によれば、
作画監修とクレジットされた回は、
全原画にチェックを入れていたとか。
ではあれは湖川氏のタッチなのか。
おそらくは『さらば宇宙戦艦ヤマト』の
作画監督を務めた実績からの起用
ではないかと想像するが、放映中盤
にはその湖川氏すら、小松原一男氏に
一時的とはいえバトンタッチしてしまう
(今度は劇場版999を担当した信用からの
小松原氏の起用なのだろうか)。
しかし総作画監督が交代しても、
前述のクリーチャーのような鉄郎と、
栄養失調のようなメーテルといった
絵柄にはさほど変化がなかったし、
両氏が後にそれぞれ雑誌イラストで
披露した999の絵には、そういう特徴が
見られなかったのが、また謎だった。
となると、あの絵柄は実質的にメイン
作画監督だった兼森義則の個性
だったのだろうか？(同氏は後番組の
『1000年女王』のキャラデザインや
作画監督も務めてらっしゃるのだが、
そちらはそんな絵柄でもないので、
余計に謎は深まる…。)
それはともかく、視聴対象が小学生
あたりがメインだったTV版は、妙に
説教臭かったり、鉄郎が幼稚だったり
するのが引っかかるものの、とりわけ
序盤はまだまだ原作の雰囲気を
色濃く残してもいるので、独特の
味わいが楽しめる。おかげでどうも
原作を読み返したくなったりもして。
その他、序盤の良作画回としては、
第16話「蛍の街」もオススメ。
それこそこの当時の湖川氏の
美麗な松本キャラが堪能できる。
(なんでせめてこの絵柄・レベルの
ままで完走できなかったのだろう…。)
この日はNHKの『未来少年コナン』
再放送も、中盤のクライマックスで
あり、傑作回の第19話「大津波」という
豪華なラインナップで満足満足♪
ここに来てついにコナンがヒーロー
として完成する。（いやヒーローと
いう形容がコナンに相応しくない
イメージなのはもっともだが、隔絶
した島育ちで、幼く物を知らない
ただの体力バカだったガキんちょが、
人々と交流し、社会を学び、経験を
重ね、ついに主人公として人格が
完成するという意味において、
もう直情かつ猪突猛進するだけの
子供ではなく、人々を導き頼られる
一人の男として結実した、と。)
まもなくインダストリアの解放と
ギガントでの攻防という終盤の
クライマックスも迫っているので、
楽しみ〜♪